「だから何で陽菜なんだ」
「写真集のスタイリストさんがお店に来てくれた時に陽菜ちゃんがいたのよ。それで陽菜ちゃんに白羽の矢が当たったの」
恭介さんの顔が厳しくなってきた。
「き、恭介さん、ほらクリスマスパーティーで緒方さんと一緒にいらした戸部さんですよ」
「志織、お前はこの話を知ってたのか?」
矛先が私に。
「さ、さっき聞いたとこです」
「……」
「ほ、本当ですって」
疑い度100の眼差し
「兄さん、志織ちゃんにはさっき話したとこよ。前もって言ったら絶対兄さんにバレるもん。何たって志織ちゃんは兄さんに隠し事なんて出来ないもんね」
うんうん。
私は勢いよく頷く。
「フッ 当たり前だ」
ちょっとご機嫌が。



