「寝たか」
「はい」
「飲むか?」
「少しだけ」
「ん」
ソファーから立ち上がり、ヴァイオレットフィズを作ってくれる。
やっぱり今でも作ってくれるのはヴァイオレットフィズ
おつまみを出し
二人ゆっくりとグラスを傾ける。
「休みでもゆっくり出来ないだろ」
「大丈夫ですよ。涼と遊ぶのもストレス発散になりますから」
「ならいいが、無理すんなよ」
「はい。恭介さんこそ大丈夫ですか?涼の相手で疲れませんか?」
「俺もストレス発散になってる…けどな」
「えっ?」
恭介さんがニヤリと笑い
「アイツは俺にライバル意識を持ってんぞ」
「ライバル意識?恭介さんにですか?」
何で?
「クククク…ママは涼のだってさ」
「えっ?」
「さっき風呂場でな、お前を呼ぶ前」
「はい」
「『ママは涼のママだから、パパは一緒に寝ちゃ駄目』だって」
「へっ?」
「『ママは涼が好きなの』って、だから『ママはパパが好きなんだ』って言ってやったら「違うもん涼が好きなんだもん、ママ~」って言い出しててママも一緒にってなった訳だ」
「……」
恭介さん…あなたも子どもですか?
「さっきも言ってたけど、お前と結婚するってさ」
「……」
「まっ、俺に似て趣味はいいけどな」
「……」
呆れて物が言えないわ。



