歯磨きを済ませ
「パパ おやしゅみなしゃい」
「ん…おやすみ」
恭介さんの頬っぺたに
チュッ!
とキスをして
「ママ~」
「はいはい」
涼をベッドに入れ
熊五郎とペン太郎を両脇に置いて
「ママ」
「なあに」
「ポニョもママみたいにかあい~ね」
「ポニョの方が可愛いよ」
「ううん、ママもかあい~よ。パパがママはかあい~っていってちゃもん」
「……」
恭介さんは涼に何を言ってるんですか。
「ママ」
ハッ!
照れてる場合じゃないわ。
「ありがとう。可愛いって言ってくれて」
「うん。ママ」
「うん?」
「りょうもかあい~?」
「涼も可愛いわよ。ううん、ママより涼の方が可愛いわよ」
そうよ、涼が一番可愛いわよ。
「うん」
ニカァと笑い
「ママ、えほん」
「はい、絵本ね」
寝る前の習慣になってる絵本の読み聞かせをして
――
―
「…めでたし、めでたし」
あらっ、寝てる。
涼の額にキスをして
「おやすみ。いい夢を見てね、王子様」



