それなら私が瑠美を連れて帰りたい。

他人に瑠美を任せるなんてしたくない。

今は違うとしても、昔は家族だったから。

家族として、姉妹として愛し合っていた。

私はそれをいつわりだとは思わない。


「お父様、私も魔界に行かせてください」


多分、父はダメだというだろう。

妻を殺され、瑠美も居なくなった。

そのうえに私まで失ったら

父は1人になってしまう。

でも、それでも私は瑠美を人任せになんて

できない。

でも、私の願いは叶えられなかった。


「すまない流華、私もおまえがそう
 そう言うだろうと思って新に頼んでもみた
が、瑠美の件もあってエクソシスト側が 
 今回は瑠美がつかまるまで悪魔の魔界入りを
 許可しないと判断した」

「そ、んな」

『瑠美が捕まるまで』

この言葉が引っかかった。

瑠美は悪魔、

エクソシストは、私達悪魔が魔界入り

をして瑠美の手助けをするんじゃないかと

疑ってるんじゃないだろうか?

でなければ『瑠美が捕まるまで』だなんて

そんな期限は出さないはず。

「流華、本当にすまない、
 何もできない父親で本当にすまない」

私の落ち込んだ顔を見て父が謝ってきた。

「父様、私は大丈夫ですから、
 そんなに謝らないでください。
 それに父様は何もできない父親なんかじゃ
 ありません。私の大好きなお父様です」

私の言葉を聞いて父の顔が少しだけ穏やかな
ものになる。

良かった、父様の悲しんでいる顔なんて
嫌ですもの。

「あぁ、ありがとう流華、
 それとこんな時にすまないんだが」

「はい、なんでしょうか?」

父は少し言いにくそうな顔をした。

が、話し出した。