死んだ生徒の事を思うと胸が痛い、

血という言葉を聞いて思い出すのは、

瑠美に殺され、私と留美の部屋で

血まみれになって倒れている母

そして死んだ母を見てあざ笑う瑠美



『瑠美?何してるの?』



私は瑠美がなぜ笑っているのか分からなくて、

そんな瑠美が怖くて、

震える声で聞いた。



そして瑠美が私に言った言葉はあまりにも

残酷なものだった。



『流華、私、魔界に行くね、そのためにママ
を殺したんだから』



『なんで、魔界なんかに・・・』



わけがわからなかった。

昨日まであんなに母に甘えていた瑠美がいきなり

魔界に行くために母を殺しただなんて。

たった1日でなんであんなふうに変わってしまったのか。

そして瑠美が魔界に行きたいという理由も

まったく分からなかった。

魔界へのゲートをくぐる前に言った言葉は

とてもくだらないものだった。



『この世界に退屈したんだ、だからバイバイだよ
流華、また会うと思うよ』



退屈しのぎのために母は殺された、

そんな事を分かったいまでも

私は瑠美を憎めないでいるのだ。

そんな自分が嫌いで怒りさえこみあがった

私はそんな感情を忘れたくて

いつもは、瑠美の事を魔法で記憶から消している。

でも、瑠美が使っていた物を見たり、

瑠美の起こした事件を聴いたりすると

どうしても思い出してしまう。