自分の自室に戻って私はそう思った。

悠にこの傷を見られたくない。
私の過去を知られたくない。
知られたら悠はきっと、
“私を嫌いになる”

その夜、私はずっと眠れないで
ベッドで一人泣いていた。

翌日、朝起きたら
携帯に知らない番号の着信がたくさん
あった。

悠、じゃないよね。
悠は私の番号知らないはず。
でもなんとなく気になって
昨日、悠から貰ったメモを見てみる。

え?なんで?

悠から貰ったメモと携帯の知らない番号
を見比べて驚いた。

私の携帯にある番号と悠の番号が
同じ番号だった。

なんで私の番号知ってるんだろう。

それが気になって悠に電話しようかと

思ったけど発信ボタンを押そうとする

直前で指が止まった。

なんでかは分からない、でも、

“ユウ二カカワッテハイケナイ”

そう、私の心が叫んだ。

なんで?なんで急に私こんな事思ったの!?

ズキッ

「・・っ!」

昨日おさまったはずの傷の痛みが

また痛み始める。

そして、治ったはずの傷から“血”が

流れ出る。

《流華が欲しいのは彼の心?
      それとも
 彼の体内に流れる大天使ミカエルの
       “血”?      》

瑠美の、声・・・、

ズッキン、

「っ・・・・・・イタッ」

傷の痛みが増していく。

“コノイタミハルミノイカリ”

また、“私の心のこえ”

《流華は私だけの物》

私以外、誰もいないはずの部屋に

私と同じ顔の少女、瑠美が現れて

私にそう囁いた、

ドサッ

そして私はそこで気を失った。