「悠?ここどこ?」

「ん?99階、俺専用のお泊り
 ようの部屋があるところ」

そういえば、パーティーに参加した
ほとんどの人が今日はここに
泊まると言っていた。

実は如月学園は広すぎて学校と
この城までの距離が遠いのだ。

生徒達の寮からでさえ何十分とかかる
もし学園の正門からここまでだとして
約1時間はかかるだろう。

本当に、無駄に広い学園だ。

部屋の前に着くと悠がカードを差し込んで
ドアを開けた。

「入って」

そう、うながされて部屋に入る。

部屋に入ってみてその部屋の広さに驚く
父の部屋よりも広い。
北の城の100階と会場しか行った
事のない私は驚いた。

100階の部屋よりかは広くはないけど。
今は2人きりのせいか、部屋が広く
感じられる。

「気に入った?」

「うん」

私が少し微笑んでそう返すと
悠は満足気に笑ってから

「飲み物持ってくるからテレビの前に
 あるソファーに座ってて」

と言って、別の部屋にあるキッチンに行った
大きなテレビのあるソファーに座る。
この部屋、悠の匂いが充満している。

「おまたせ」

そんな事を思っていると悠がコップを
2つ持って戻ってきた。
私の隣に座ってコップをソファーの前にある
テーブルに置く

「レモンティーしか無かったけど良い?」

「うん、私レモンティー好きだから大丈夫」

「そっか、良かった」

コップをとって飲んでみる。
パーティーで挨拶ばっかりしてて
ずっと何も飲んでいなかったから
乾いた喉を丁度いいくらいに潤した。

コップを再び机に置くと悠が私を
見つめている事に気づく。

「どうかしたの?」

「流華、俺との約束覚えてる?」

「えっ」

約束、そう言われて過去を振り返ってみる
そしてある言葉を思い出した。

『僕のお嫁さんになって!』

思い出した瞬間、ボンッ!
という音をたてて顔が赤くなった。