一番前を歩く彼、
明るい金髪に綺麗な金色の瞳、

その彼と昔出会った男の子
の姿が一致した。

そして、その彼に向かって女子生徒が叫んだ

『ユウさまー！！！！』

“ユウ”

名前が、一致した。

「どうしましたの？流華様」

驚きのあまり固まってしまった私に心配
そうに声をかけてくる楓。

「な、なんでもないわ早くパーティーを
　はじめましょう」

そう言って挨拶をするためにステージ
に向かった。

間違いなく彼はあの男の子だ。

さっきそれが分かった時本当は、
彼の所に行きたかったけど、それは後で
でもできる。

今はパーティーに集中しないといけない。

私がステージに上がると同時に会場の照明
が少しだけ暗くなる。

そして私は始まりの挨拶をはじめた

「今夜はお忙しいなか、ご参加いただき
　ありがとうございます。
　私はMoon生徒会長の黒宮流華です。
　よろしくお願いします。・・・・・・」

その後もいろいろな事を話し、挨拶は終わった。

このパーティーの本当の目的はかくして、
丁度新学期の始まりだったので、新入生歓迎
パーティーという事にした。

瑠美のことは関係者の極一部しか知らない。

もし知られたら、私と父様はあまり良い目
では見られなくなるからね。
　　　　　　　　　★

-悠side-
俺が会場入りをしたとき、会場の照明が少し
暗くなった。

多分始めの挨拶でもはじまるんだろう。

正直面倒だがステージの方を見て聞く振り
をしようと思った。

が、俺は次の瞬間、ステージに上がってきた
彼女を見て驚いた。

昔会った女の子にそっくりなのだ。

あの艶のある漆黒の黒くて長い髪も、
そしてあの綺麗な真紅の瞳もあの女の子
そのままだった。

彼女はステージに上がって一礼すると
挨拶をはじめた。

彼女の声は凛とした透きとおるような声で
会場に居る者すべてが彼女の声に耳を傾け
ていて、だれも聞いていない者はいない。