実はキレたらすごく怖い。

人間のヤクザよりも怖いと思う。

「そういえば今日の仕事はなんですか？」

「あぁ、えっと今日は・・・・」

と、私が昨日父に言われたパーティー
の準備の事を楓に伝えようと
したとき、

ピュッー

と、朔夜と大雅の喧嘩がヒートアップ
して魔法で作り出した風の刃で喧嘩
していたのだが、その刃が
楓の頬をかすってしまった。

ポタリッー

楓の頬から赤い水滴が床に落ちる
その水滴は血だった。

その場の空気が凍った、誰もが思った。

楓がキレるっと、そしてその予想はあたった

「テメーら、人が大人しく見ていれば
　調子にのりやがって、しばいたろうか？」

楓の周りにには黒いオーラが出ており
楓は雷撃の魔法を発動させようとしていた。
これはまずい、楓の魔力でそんな魔法を
使われれば生徒会室どころか校舎ごと
破壊されかねない。

『も、もうしわけありませんでしたー！』

仕事に失敗してくびにされそうなサラリーマン
みたいな形相で謝る２人。

いくら仲が悪い２人でもキレた楓の前では
仲が良くなる。

まぁ、２人とも大人しくなったことだし
今日はここらへんでいいだろう。

「楓、２人とも大人しくなったんだし
　そこらへんでやめなさい」

「流華様がそうおっしゃるなら私は構い
　ませんわ」

私が注意すると、可愛い笑顔で黒いオーラ
を消し去った楓。

それを見て安心する男共だった。

楓はなぜか私の言うことは何がなんでも
聞いてくれる。

まるで私が楓の世界の中心かのように。

「じゃぁ、今日の仕事の内容を教えるから
　ちゃんと聞いてね」

そう言って３人が私に注目したのを確認
したあと、パーティーの事を話した。

その後、いろいろと役割分担をして
仕事を開始した。

男子２人はパーティーで必要な物や
料理の食材などの手配。

そして私と楓はパーティーの司会、
あと予算の計算、招待状制作、
パーティー会場の飾りつけなどをした。