私と佳奈ちゃんが話していると、家の中に「エリーゼのために」が流れ始める。


「あ、遥佳くんだね」

「お出迎えに行ってきます。少々お待ちください」

「分かった」


佳奈ちゃんの入れてくれた紅茶を飲む。
これが、初めて佳奈ちゃんの紅茶を飲んだ時。


佳奈ちゃんは、仕事ができるからとすぐに庭係りから遥佳くん専用のメイドになる。

そのおかげで、私たちはたくさん話して、励まし合って、本当に仲良くなった。









ねぇ、遥佳くん。

私ね?
偶然って言葉より「必然」って言葉が好きよ。


そうなる為に今まで歩んで来って思えたら素敵じゃない?




ねぇ、遥佳くん。

“それ”は誰のためについた「嘘」なの?