「アスカさーんっ」

「………レンくん」



大学のキャンパスで。

あたしを見つけて笑顔で駆けよってくるかわいい後輩。


大学内で密かに、あたしの犬だってうわさされているのを彼は知っているのだろうか。

あたしにうわさが届いている時点で“密か”ではないけどね。



「何ですかー?その間は!」

「うーん…あたしとレンくんの温度差、かな」



アスカさん冷たいっすよーとか言って頬を膨らませる、そんな仕草も彼には似合う。


あたしの方が背は低いけど、手を伸ばして彼の頭をよしよし、って撫でる。

そうしたら彼は怒るんだけど、反応がかわいくて好きだから止められないんだ。