「アスカさん」



歩きだしたあたしを彼は呼び止める。

歩みは止めたけど、彼の方には向かなかった。


動かない2人。


数時間にも感じたような沈黙のあと、彼は小さな声ですみません、と言った。



「…賭けだったんです」