「ごめん……高だったね。来季じゃなかった」
「ううん、大丈夫」

 笑顔で言いながら、何が大丈夫なのか自分でもよくわからなかった。

 陽菜には、別れたその日にすでに報告済みだ。言いたいこともたくさんあっただろうに、私が落ち着くまで黙って聞いてくれて、すごく救われたのを覚えている。
 今だって、理解してくれて、相談にも乗ってくれている。陽菜は優しくて、私のことを真剣に考えてくれて、本当に大切な親友なんだ。

「……それでね、デートって何したらいいの?陽菜、吏人とデートしたことあるよねっ!」
「そりゃまあ、あるけど……」
「どういうことしたの?教えてっ陽菜先生!」

 すると陽菜は、「仕方ないなー」と、照れくさそうに話し出した。

「とりあえず、一緒に歩いて……」
「ふむふむ」
 私はにやにやと笑いながら話に耳を傾けた。