「柊さん、一緒に帰ろうっ」 あの日から、部活後に紗理奈ちゃんが私に話しかけてくるようになった。頻繁に、というより、部活のある日は毎日だった。 そしてその日、私はとうとう、無情にも最も言われたくなかったことを言われてしまった。 「あたしね、好きな人いるんだあ」 心臓をきつく握りしめられた気がした。思い当たるのは、一人しかいなかったのだ。 「実は……来季なの。あたしの好きな人」 協力してくれるよね?と、笑顔で私に聞いてくる。整った鼻筋も、色っぽい睫毛も、今はきれいだなんて思えない。