4 彼女は自分を呼ぶ声で我に返った。 女の子とお婆さん、そして彼女の両親が心配そうに彼女の顔を覗き込んでいた。 「姉ちゃん、だいじょうぶ?」 女の子の頬に手を伸ばす。 溶けたと思った手は戻っていた。 体は冷たい何かに覆われていて、心地いい。 ああ、そうか、川に入っているんだ。 「あたし溶けてたね」 「そうよ、川で溶けてた」 「川に入ってたのに」 ――胸が暑かったからかな、なんてね。 あはは、と笑って見せるが、彼女以外は誰も笑わなかった。