――愛してます、さようなら。

出ない声、ない口で何とか囁く。

彼女はもう全部溶けただろうか。
自分はもう全部なくなっただろうか。

わからない。
彼女の温もりも感じられない。
自分の体は何処に行ったのだろうか。

ああ、そうだ。
きっと虹蛇になるんだ。
そして、彼女と女の子を、笑顔にするんだ。

最後に、一度だけでよかった。
彼女に愛してると伝えたかった。
君のことを愛してます、と。

――彼は意識を手放した。