――さよなら。

呟いたつもりだったが、声はでなかった。
そうか、もう喉もないんだった。

彼女が見えない。
声も川の音も聞こえない。

彼女にさよならと告げることも出来ない。
もう、愛してるという言葉も。

いちごミルク味のかき氷も食べられない。
いちごミルク味の彼女に口付けられない。

彼女に触れられない。
抱きしめられない。

もう二度と、何もできない。