彼女がかき氷を膝に置き、彼の腕に空いた手を添えた。

「今日はこうしてる」
「......どうぞご自由に」

二人はゆっくりかき氷を食べた。
女の子はもう食べ終えていて、チョコレートを頬張っていた。

「あたし」
「......ん?」

――あたし今日溶ける気がする。
彼女が空を見上げながら呟いた。

「君は今日なくなる気がする」
「......それは僕も思ってる」

その日いつも通りに接していたつもりなのに、二人の会話は少なかった。
そしてかき氷を食べ終えると、すぐに三人で川に向かった。