代わりに、呟いた。

「いつだろうね、お別れは......」
「夏と一緒になくなる気がする」
「......行かないでほしいのにな」

不意に、身を寄せ合う二人の目の前に、水しぶきと共に小さな虹ができた。

女の子が向かいの岩に座って作っているのだろう。
暫くすると消えた。

「にじつくるのうまくなったよ」

二人はふ、と微笑んだ。
女の子はこの夏起こるかもしれないことを、きっと知らない。