二人は毎日かき氷屋さんに通った。
四人でかき氷を食べて、三人で川に行く。
その繰り返しの日々がもう十日過ぎた。

特に何かをするわけでもないが、すべてが思い出となった。

――脆くて儚い夏の日の思い出に。

「あと......三日、だね」
「ああ、もうそんな?」

彼は川ではしゃぎ回る女の子を眺めていた。
彼女はそんな彼をずっと眺めていた。

「......何?」
「いや、今見ておかないと、さ」

――いつなくなるか分からないから。
――なくなったら、終わる気するから。

そう呟いた彼女の声は、微かに震えていた。