「いやぁ、今日も暑いねぇ」
「バテそうですね」
「うわぁ、おじさんみたい」
「なっ、失礼な! 高校生もバテるよ!」
「おじさん」

もっと言っちゃえ、と彼女が煽る。
めっちゃおじさん、と女の子が呟く。
あたしより酷いね、とお婆さんが囁く。
何だよみんなして、と彼が笑う。

彼にとっても彼女にとっても、夏の日の思い出はこれだけで十分だった。
何気ない似ツ上が、一番の思い出なのだ。

「よし、食べ終わった? 川行こう!」
「好きだねぇ、川」
「たべおわったーいくいくー」

そして両端の女の子二人に腕を引っ張られ、彼は皮に連れ出されるのであった。