「二週間切ったね」
「......え? 君、主語ないよね」
「あ、ごめん。夏休みの話」
「あぁ、うん。早いね」

今日を入れずにあと一週間と六日で終わる。
普通なら夏休みが終わっても会えるはずなのに、二人は何故か夏休みが終わるのを嫌がった。

会える時間が減るからだろうか。
いや、それとも――夏休みが終わると、もう会えない気がしているからだろうか。

彼は後者だろう、と思った。

夏休みが終われば、もう会えない。
きっと二度と、会うことはなくなるだろう。