外はいつの間にか晴れていて、昨日川で作った小さな虹なんかより、大きくて鮮やかで美しい虹が空に架かっていた。
虹蛇が架けたのだろうか。

彼はふと思った。
冷蔵庫越しに彼女に口付けたことを知っているのは、どうやら自分だけではないようだ、と。

きっと、君たちも見ているんだね、と。
――虹蛇と虫と冷蔵庫。

彼女には言わないでください。
左頬に赤い紅葉がつくと嫌だから。




第二章
終わらない気がする夏休み
終わり