最初は好奇心でついた嘘だった。
溶けるはずなんかないと思っていた。

彼女や彼女の母親が思っているように、純粋に信じていたわけではなかった。
ただ彼女の話が面白いから、便乗しただけだった。

だが彼女の話を聞いているうちに、少し考え方を変えた。


人間は限りある短い人生の中で、数多くの試練に直面する。
そして溶けること、なくなることも、その試練の一つなのだ。
人間は常にその試練に直面している。

溶ける体質やなくなる体質の人間は、彼や彼女のように実際に存在するのだ。
ただ人間の多くが自分の体質に気付かずに過ごしているだけ。