うわ、この人酷い、と爆笑する彼女。
彼は呆れながら溜息をついた。

「それに、溶けるんじゃないの?」
「あ......そっか、」

――でもここにいても溶けるなぁ。
彼女は自分の腕を見ながら呟くと、すぐに顔を上げて彼に微笑みかけた。

「じゃあ、うち来る?」
「......え? 君ん家?」
「そう、あたしの部屋、涼しいの」

彼は少しだけ(本当に少しだけ)変なことを考えてしまった自分が恥ずかしくなり、かき氷を口に運びながら無言で頷いた。

「決定! 行こう!」
「え、もう?」