高校生にもなって川に入ってはしゃいでいるなんて、おかしいかな。
彼は一瞬そんなことを思ったが、それは本当にほんの一瞬だった。

不意にぱしゃ、と顔に冷たいものがかかる。

「ちょ、かけないでよ」
「川入ったらかけるでしょ! 常識!」
「じゃあ分かった僕もかける」
「きゃーっ! ちょ、わ、冷たっ!」

子供みたいな水の掛け合いが始まる。

彼女といると、心が落ち着く彼。
彼といると、堪らなく楽しい彼女。

二人は夕方になって涼しくなってくるまで、川に入って遊んでいた。






第一章いちごミルク終わり