次の日、彼はまた無愛想なお婆さん営むかき氷屋さんにふらふらと立ち寄った。
連日三十度越えの真夏日で、本当に蒸されて蒸発してしまいそうだ。

店主のおばあさんも相変わらず無愛想ながら、暑そうに扇風機の風を浴びて少し気持ち良さそうな表情を浮かべていた。
いつも仏頂面なわけではないんだな、と彼は少しおばあさんへの評価を上げた。

昨日と同じいつごミルク味のかき氷を買い、昨日を同じベンチの右側に腰掛けた。
もしかしたらあの溶ける彼女がまた偶然いちごミルク味のかき氷を買いに来ないだろうか――と少し期待しているのである。