「君は氷にも似てるね」
「溶けても、冷やせば元通りだから?」
「そう、強い生命力と根性がある」

――君はないの?
彼女の問いに、彼はそんなのあるわけない、と思った。

「母さんの腹ん中に忘れたよ」
「へぇ、じゃああたしは......」

――ママの根性も持ってきちゃったみたい。
悪戯っぽく微笑んで見せる彼女に釣られて、彼は思わず笑った。

「クラゲもきっと強い奴いるよ」

彼女の言葉は、冷たいいちごミルクのかき氷よりも彼の身に染みた。

「うん......ありがとう」

彼女はどういたしまして、と言いながら笑った。