俺と愛は、テストに控えて毎日のように図書館で勉強していた。


 もう、十一月も暮れ。


 冬が近いから、寒いったらもう!我慢できない。



 俺は、数学の教科書と睨めっこしていた。



「翔君、睨めっこしてちゃ駄目だよ」


 俺たち、付き合い始めてけっこう経つのに。何でまだ、呼び捨てしてもらえないんだろ。



 呼び捨てじゃないと、すごく距離があるように思える。



 何か、ただの友達同士…みたいな?


 その点、呼び捨てしてくれる美衣とは話しやすい。


 距離感が、ないんだよね。