結局、美衣の足は完治しないまま、学校祭を迎えた。 俺の出番が来るたびに、応援席に座る美衣の姿が見えて、胸が苦しくなる。 俺の、せいだ。 なのに。 「三年部、優勝クラスは四組。準優勝クラスは二組」 俺らのクラスが準優勝に輝いたとき、美衣は誰よりも喜んでいた。 「翔、おつかれ」 教室に戻る途中、美衣が笑う。 「翔、すごく頑張ってたよね。私、ずっと見てたよ」 え。 ずっと見てた…って、どういう意味なんだろ。