そのとき、愛が廊下の向こうから現れた。 「翔君…?」 愛が、強張った顔で。 「あ、ごめんね、上原さん。じゃ、翔。もう怪我のこと、気にしなくていいから。二人で仲良くね」 何でかな。一瞬、美衣の顔がかげった気がする。 「翔、愛ちゃんを泣かせたら私、承知しないからね」 俺は、戸惑った。 それくらい、珍しかったんだ。美衣が俺の背中を押してくれるなんてさ。 「翔君。やっぱり、翔君、美衣さんのこと…」 「ンなわけ、ねぇだろ。アイツは俺の幼馴染だ。恋人でも好きな奴でもねぇ」