「お前、体育館に行ってみな。美衣の奴、スリーポイントシュートが決まらないとかで体育館に居残りしてたぜ」

 あかねが、校門の前で言った。

「は?何で俺に言うんだ?ってか、お前、美衣のこと好きなんだろ?だったら、お前が行きゃいいだろ」

 そう言うと、あかねはしかめっ面をした。

「お前、馬鹿じゃねえの?本当に、気付いてねえのかよ」きつい口調で言うと、彼はフン、と鼻を鳴らした。「ま、いいか。とりあえず、俺が行くよりかはお前が行った方がアイツも楽なんじゃねえのかな。それに、シュートなら、お前のが上手いだろ?」

 俺は、頷いて体育館に向かった。

 あかねが言った通り、入口近くのゴール前に美衣がいた。でも、何だか声がかけづらくてしばらく俺は、その場に突っ立っていた。