「それともなんだい?君は自分が可愛くないかもしれない、とでも思っているのかな」
昌が嫌味たらしく、シニカルに笑う。

「むっかー!!もう、知らないんだから。帰っちゃうよ」

「それは、困る。君の出番はこれからだ。」
昌は焦った様子もなく言う。

「知らないし、帰る」
美紀はバックをとり、席を立つ。

「美紀、この後フルーツタルトが出るぞ」
ピタッと美紀が足を止めた。

「今日はベリー系でまとめてみました。」

料理班班長が自慢げに言う。

「ラズベリー、ストロベリー、クランベリー、ブルーベリー。カスタードは甘さ控えめで。生地もしっとりで、そろそろ食べ頃ですかね」