木づちの音で、水を打ったように静かになる。 「まだ、返事はされてません。ですが、初の卒業者になるかもしれません」 白い手が、ぴっと上がる。 相川に促されると、おどおどと話し出した。 「あの、もし卒業したら、寮長さんは…どうなるんですか?」 「規定では、乙女会の退会並びに、寮長の交代ですね」 ざわ 空気の揺れる音がする。 「寮長、いなくなるの?」 「そうなります」