「そんなことねぇよ!!」
ばっと顔をあげ、反論する。

「そうかなぁ~」
誰かさんにそっくりねぇ。
美紀が恭の耳元で囁く。

「なッ!!」

顔をさらに赤く染め、動揺しっぱなしの恭。

周りに動揺が走る―

私達、悪のりで少年の淡い恋心を邪魔してしまった…?


「おい、つまりは、見た目は清純和風、いつもは強がってるけど、実は…的なのが好みなんだな?」

フムフムと、納得したように頷く全く空気が読めていない昌。
頷く顔と一緒に揺れる長い黒髪にみんなの目が集まる。

外に出ないため、日にさらされない白い肌。

運動などできるとも思えないような、細い体。

質素な装い。

「よし、みんな。とりあえず今、恭のあげたタイプを基に、モテそうな女子像を考えようじゃないか」

当事者2名を除き、みんな同じことを思っただろう。


―寮長、マジっすか?