「僭越ながら、ってもさ。普通、謙遜よ。まじで分不相応なときは使わない」

「ふん。悪かったな」

いじける昌の隣では、美紀がクスクスと笑っている。

いつも、気取って、人を言いくるめている昌だ。
こんな姿はなかなか見られない。

「格好がきまってただけに残念度が倍増だよね」

「期待させといて、ねぇ~」


「うるさいっ!!休憩終わり!会議に戻るぞ!」


「あ、相川ちゃん。紅茶おかわりー」
美紀がきげんよくカップをかかげる。

「あ、紅茶が切れましたね。いれてきます」

相川がポットを持って席をたった。


「休憩終わりだと言っただろうが」

「のどが乾いてちゃ会議もできないでしょ?」

美紀がフフフと笑う。