チョコレートトラップ

こんなヤツに

関わらなければよかった。


「私はウソタと

 付き合う気はないの。

 例え“期間限定”だとしても。

 スキなのは高橋くんだけ。

 ウソタなんて

 スキになれるワケない……」


「だから、俺が

 この1ヶ月で磯貝を

 振り向かせるっての。

 一種の『賭け』、

 みたいなモンだと思えばいいさ」


「一種の、『賭け』?」


私の問いかけに

ウソタがにんまりして

こくんと頷く。


「そう。俺と磯貝、

 この1ヶ月でどっちが早く

 音を上げるか。

 つーことで、これから

 1ヶ月よろしくな」


そう言うとウソタは

私の身体に回していた腕を

はらりとはがすと、

片手をひらりとさせて

昇降口を去っていった。


そんなウソタの後ろ姿を

呆然と目で追いかける。


見えなくなった瞬間、

へなへなとその場に

しゃがみ込んだ。


―――私、本当にウソタと

付き合うことになっちゃったの?