チョコレートトラップ

「磯貝は“俺に”

 バレンタインチョコを

 くれたみたいだな。

 偶然にも俺は

 ヒロと同じ『高橋くん』で、

 手紙には『高橋くんへ』て

 書かれてたし」


「それは……!」


今になって自分の性格が

腹立たしくなってくる。


なんで私って、

こんなにもそそっかしいの?


高校生活最後のチャンスを、

こんな風に無駄にしてしまうなんて。


よりによって、

間違えて渡した相手が

ウソタだなんて。


それに、ウソタの名前が

『高橋爽太』だって事、

今まで知らなかった。


学年のみんなが

『ウソタ』としか

呼んでなかったから

仕方ないんだけれど。


がっくり肩を落とし

うなだれている私を見て、

ウソタが鼻で笑う。