「せーりな!」


コロンとしたアニメ声を

後ろから受けて

私は素早く振り向いた。


「凛! おはよ」


「おはよん」


挨拶を交わすと、

私たちは並んで歩き始めた。


彼女の名前は、

恋塚凛(こいづか りん)。


アニメの世界から

飛び出したかのような名前に、

一度聴いたら忘れられない

独特な声をした彼女は、

高校で出来た私の友達。