チョコレートトラップ

通学バッグを机の上に置いたまま、

廊下へと視線を向ける。


凛の姿は、まだ、ないっぽい。


きっとホームルームが

長引いてるんだろう。


凛が来るまで、

ぼうっと窓の外の景色を

眺めていよう。


空は朝とほとんど変わらず、

どんよりとした

黒い雲が広がっている。


雨粒は、気持ち少しだけ

大きくなっている気がする。


窓に当たる雨の音が

それを感じさせた。


「まだかな、凛」


私のクラスメイトは

もうほとんど教室から

いなくなっていた。


他のクラスの人も

大半が帰ってしまったようだ。


もうそろそろ凛が来ても

おかしくないはず。


そう思っていた時だった。


廊下を背に立っていた右肩が

ポンポンと2回叩かれ、

それに応えるように私は

後ろをふわりと振り返った。