高校生活、

私も凛も思い残すことがないから。


3年間、

全力投球で走り抜けてきて、

後悔なんてかけらもない。


それに―――


「芹菜」


凛に肩を小突かれ、

その指差す方向へと視線を向ける。


その先に、

すっかり見慣れた大きな後ろ姿。


「ゴメン、凛。行ってくるね」


「私のこと、

 気にしないで早く行きな」


ふんわり笑顔で

ぽんと私の背中を押してくれた

凛に感謝しながら、

私はその大きな後ろ姿へと

走り寄る。