「そうだった、かもな。

 でも今は、違うはずだよ。

 ね、磯貝さん」


突然、名前を振られて

私の身体がビクンと大きく

反応する。


高橋くんの言う通りなんだけれど、

一体、いつ高橋くんは

私の気持ちに気付いていたんだろう。


不思議に思いながらも、

私は小さく深呼吸してから

意を決して口をゆっくり開いた。


今が、想いををちゃんと伝える、

ラストチャンスだ。