その拍子にバランスを崩して、

ウソタが床に倒れこむ。


「いってぇ。いくらなんでも、

 そのまま放すなよ」


「爽太、自分の気持ちに

 正直になれよ」


「別に俺は、ただ……」


「ったく……。

 俺が学年の前で言ったことが、

 全部無駄になっちまうだろ?」


2人の交わされる会話の

意図が読み取れない私は、

ただじっと見守ることしか

出来ないでいた。