「安心して、

 ヒロの胸に飛び込んで来いよ」


笑顔で言うウソタに、

胸がズタズタと切り裂かれる。


ようやく気付いた

私の本当の気持ち。


それをウソタに伝えるのは、

イケナイことなのだろうか。


黙ったまま見つめ続ける私に、

ウソタがダメ押しするように

もう一度告げた。


「今から、

 ヒロんとこに言って来いよ。

 アイツなら、まだ

 教室にいるはずだからさ」


「……」


「ほら、な。

 俺のことは気にせず、行けって」


ウソタに促されれば促されるほどに、

私の気持ちが内から

ドンドン湧いて出る。


その想いが形となって、

瞳からひとすじポロンと

零れ落ちた。