向かい合うように座る私たち。


しばらくの間、

お互い視線を外したまま

規則的に時を刻む音だけが

響いていた。


その音が、

私の胸の奥をざわつかせる。


なんでもないはずの空間が、

今はまるで別世界のように感じる。


ふとウソタが

足を組み替えたかと思うと、

徐に口を開いた。


「今日が何の日だか、

 芹菜は分かってるよな?」


ウソタに切り出されて、

心臓が飛び出るんじゃないか

というくらいに大きく反応する。