ずっと訊きたかった

温かい声に反応して、

顔が自然と緩む。


ドクドクと高鳴る鼓動を

抑えるように呼吸を整えてから、

ゆっくりとその声の方へ振り返った。


「ウソタ……!」


いつの間にか、

ウソタは私のすぐ後ろまで来ていて、

思っていた以上に

距離が短いことに驚きを隠せない。


ウソタはイラズラな

笑みを見せてから、

さらりと周りを見渡す。


「もう、さすがに誰もいねーよな」


そう呟くと、

ウソタはもう一度、

私へと視線を戻して

近くの椅子へ腰かけた。


足を組みながら、

すっと右手を前へ差し出す。


どうやら私に

「座れ」と促しているようだ。


私は小さく頷くと、

自分の椅子へちょこんと腰かける。