神様は本当にイジワルだ。


どうして、

人の想いが素直に

繋がっていかないんだろう。


心の奥にある本当の気持ちを、

伝えさせてくれないんだろう。


黙ったまま、

私はただじっと

ウソタを見つめ続ける。


ウソタは私から

視線をすっとそらすと、

徐に椅子から立ち上がった。


「もう大丈夫そうだから、

 俺、もう帰るわ。

 芹菜は、もう少しだけ

 ゆっくりしてから帰れよ」


そう言うと、ウソタは

ニカッと笑って保健室を

後にしていった。