私はウソタに視線を向けると、

小さくこくんと頷く。


それに応えるかのように、

ウソタが私の頭を

ふんわりと撫でる。


「なら、ホワイトデーまで

 遠慮なく『芹菜』て

 呼ばせてもらうからな。

 期間が終わったら、

 芹菜は遠慮なく

 ヒロの元へ飛び込めばいいさ」


ウソタの言葉に、

胸がズキンと痛む。


やっぱりウソタは、

私がまだ高橋くんのことを

スキだと思ってるんだ。


そして、私への想いを

告白した高橋くんと、

気持ちが通じ合ってると

確信しているんだ。


私が―――


私がもう少し早く、

ウソタへの気持ちに

ハッキリと気付いていればよかった。


そうしたら、

ホワイトデーを待たずに

ウソタへ打ち明けてしまったのに。


それなのに……。