口をあんぐりとしたまま

呆然とする私に、

ウソタが構わず

ふふっと笑ってから言葉を続ける。


「いつの間にヒロと

 仲良くなったんだ?

 確か、バレンタインの時は

 話しかけるのも出来なくて

 下駄箱に入れたんだろ?」


ウソタに言われて、ようやく

その言葉の意味が見えてきた。


確かにウソタの言う通り、

1ヶ月前の私は高橋くんを

目で追うことが精一杯で、

声をかけるのにも臆病になっていた。


でも今は、きっかけがどうであれ

高橋くんと言葉を交わせるように

なっていた。


気持ちの変化は、

考えないとして。


さっきの私と高橋くんの

やり取りを見ていて、

ウソタがそう感じたんだ。