まだふわふわとした意識の中、

私はそうっと目を開いた。


一体、どのくらい

眠り続けていたんだろう。


それまであった身体の重みが取れ、

随分と楽に感じる。


柔らかな日差しが

カーテン越しに差し込んで、

心地いい。


もう少しここで横になっていようか、

ともう一度、

目を閉じようとした時だった。


「……気付いたか?」


横たわっている右側から

ふわり優しい声を掛けられ、

私はふとその声の方へ

視線を向けた。


そこには心配そうに私を見つめる、

ウソタの姿があった。


「ウソタ……。もしかして、

 ずっとここにいたの?」


てっきりウソタは私を

保健室へ運んだ後、

みんなのいる体育館へ

帰ったのだと思い込んでいた。


でも、上履きを片方だけ脱ぎ、

その足を膝の上に乗っけた状態で

椅子に深く座っている姿を見る限り、

ウソタは今までずっと

私の側にいてくれていたようだ。